セルフチョコレートの繁殖

ここでの解説は初めて小鳥を飼う方を対象としたものではありません。
従いまして、初心者の方は既刊の解説書を購入、一読されることをお勧めいたします。

目次
最近の人気ベスト4
セルフチョコレートが基本
繁殖困難の理由
普通に種鳥を選ぶ
私なりに種鳥を選ぶ
繁殖開始時期と回数
日常の管理
ペアリング
初卵は小さく無精卵が多い
抱卵と検卵
孵化と中止卵の撤去
リング挿入
巣立ち
親と分離
最後に

★参考1: 良鳥の購入ガイド
★参考2: 十姉妹の繁殖ヘルプ



最近の人気ベスト4
日本で飼われているヨーロッパ十姉妹のうち、一般の方に強く好まれているタイプを人気順に並べてみました。
1)ブラックグレー
2)チョコレート
3)パールグレー
4)パール
上記並び順は繁殖困難の順位でもあります。

以下に各種類別の繁殖難易度を簡単に説明いたしますが、あくまでも通例であり、例外が多く有ることをご了解ください。
一般的に、高ランクになるほど難易度も高くなりますから相応の準備と覚悟が必要かと思います。
・パールの場合は健康的な鳥が多いため繁殖が容易く、一般的な管理で雛が取得できる。
・パールグレーでは若干の虚弱性が現れるのでパール以上の体調管理が必要となる。
・チョコレートでは高ランクに近づくに従い虚弱体質が見え隠れし繁殖困難となる。
・ブラックグレーは常に虚弱体質と紙一重、チョコレート以上に繁殖困難となる。
★参考: ヨーロッパ十姉妹人気の秘密は
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セルフチョコレートが基本
ブラックグレー同士の交配では体質的に弱くなり、V字模様発現にも限界が見えてきます。
そこで、数世代に一回、セルフチョコレートと交配してください。
体力が強化され、V字模様もレベルアップされます。
ただし、毎世代チョコレート×ブラックグレーをペアリングした場合には、チョコレート背中の茶色部が黒色化し、 チョコレートと判定されなくなりますので注意が必要です。
★参考: 背中が黒色化したチョコレート
この画像では茶色が見えますが、実際はブラックグレーと見間違う黒色です。

パール腹部にV字模様を発現させるにはどうしますか?
良質のセルフチョコレート(雄)と交配してください。
チョコレートよりもぼやけた感じですが、それらしきV字模様が一代で現れます。

良質のパールグレー作出には上記の課程を通過したパールとブラックグレーが必要となります。
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繁殖困難の理由(チョコレート、ブラックグレー)
以下の状況は全ての鳥に該当するものでなく、個体によっては一般の十姉妹と同等に、 難なく巣引き完了することもまれではありません。 概して、輸入鳥では下記のようなトラブルが発生しやすいようです。
・産卵しないメスがいる。
・産卵しても無精卵となる場合が多い。
・発情の弱いオスが多く、無精卵の一因となっている。
・産卵しても抱卵しない鳥がいる。
・2個産卵して巣の中でメスが死んでいた。
・有精卵にもかかわらず中止卵となることも珍しくない。
・孵化した順に巣から雛を放り出す親。
・育雛途中であきらめてしまう親。
・15日以降、そのうに餌が入っていても死んでしまう雛。
・期待していた雛が巣立ち直前に死んでしまうこともある。
・下痢状態で巣立ちするヒナも結構数見られる。
・親と分離してからの落鳥にも要注意。
★参考: 高ランクセルフチョコレートは難しい
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普通に種鳥を選ぶ
これより下は、チョコレート及びブラックグレーの標準的選び方を説明いたします。

★その1 大きなメスを選ぶ。
メスが極端に少ないのが十姉妹の世界です。
模様や色を度外視して、体が大きく健康なメスを選んでください。
そのようなメスを入手できたなら、道の半ばまで歩んだことになります。

★その2 高ランクのオスを選ぶ。
オスは模様やコントラストにこだわってください。
腹部のV字模様はオスの羽質が子に伝わりますから、オス選びが鍵となります。
ただし、最初のうちは審美眼が不足しており、どの模様がベストか、判断に迷って当たり前ではないでしょうか。
従いまして、コンテスト会場に足を運び、または複数のホームページを覗き、己が眼力を鍛えるのも重要かと思われます。
ところが、このような高ランクオスでは「発情不足で無精卵」という悲しい結果が多発しますのできめ細かな管理が必要となります。

以上、一般的な選び方でした。
★参考: 良鳥の購入ガイド
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私なりに種鳥を選ぶ
これより下は、チョコレートの自己流選び方を説明いたします。

1)初めての方は繁殖実績のあるペアを購入する。
繁殖回数、繁殖年月日、産卵数、有精卵数、巣立ち数が明確なら最高でしょう。
簡単には購入できないでしょうが、この選択が成功への近道であることは間違いありません。
もし、ペアで見つからない場合は実績のあるオスだけでも相当に助かります。

2)初めての方はA3ランクまたはBランクのオスメスを購入する。
A3やBランクでは健康鳥が多く、苦労せずに繁殖できます。
条件・・・購入鳥の両親はAランクであること。系統が良ければ未来が明るい。
目的・・・高ランク雛は誕生しないでしょうから繁殖回数を2回にとどめ、健康メスを得る。
★参考: セルフチョコレートの勝手なランク付け

3)自家産メスが確保できた方は高ランク♂を購入する。
腹部V字の切れ、白色系のV字背景色、漆黒の顔胸、背中の茶、短い嘴、太い足、鋭い目、長い尾。
全体的に黒白茶の3色コントラストが強く、V字模様が切れていれば良しとしましょう。
V字模様は好みに個人差がありますので、何がベストかは難しいところです。
問題点・・・簡単には成功しませんので長期戦覚悟で取り掛かってください。

★購入ヒント
羽が垂れている鳥は購入しないこと。
虚弱鳥を発見しやすい冬場に購入。
購入には何度も失敗して当たり前。
★参考: 良鳥の購入ガイド
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繁殖開始時期と回数
一般的に関東地方で年2回繁殖するには、秋なら9月中旬、春なら3月下旬開始が妥当かと思われます。
私の場合は、9月中旬開始で産卵終了日を翌年の5月1日とし、その間の繁殖回数は決めておりません。
さらに、一度繁殖完了したなら次回繁殖までに30日以上休養させることも心がけております。
ただし、初回が全卵無精の場合は巣を撤去することなく続けて産卵させます。
また、繁殖ペアに疲労が見えた時点で予備ペアと交換してしまう、という入れ替え方式も実行しております。
従いまして、繁殖予定ペアをケージ数の3倍確保することを理想としてる訳ですが、現実は厳しく2倍が精一杯のところでしょうか。
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日常の管理
ヨーロッパ十姉妹であっても観賞用として飼うならば、ごく普通の飼い方で結構、何ら難しいことはありません。
従来の十姉妹同様、一般的な解説書に従い、市販されている十姉妹用配合餌とボレー粉、野菜だけで長生きしてくれることでしょう。
ここでは、「酒代くらい稼いでみたい」と意気込む方を対象に「日常管理」を説明してみたいと思います。

【カゴ】
最低でも35角(370×405×440)サイズが必要です。
ただし、体長が12cm超の十姉妹ペアでは一段上のサイズがベストかもしれません。
私事ですが、カゴの半数は45cm角を使用しており、35角と比較しても繁殖成功率は高いものがあります。
鳥友で「カゴは広ければ広いほど良い」と力説してる方がおりますが、W600サイズで最高8羽の巣立ちに成功したそうです。
また、カゴの底網みは原則撤去します。
★参考: 金カゴの底網は本当に必要?
★参考: このサイズまでなら許せる金属カゴ

【坪巣】
藁坪巣(中)、紙坪巣(大)、巣箱のどれを使用しても大差ないでしょう。
私は藁坪巣(中)の中で大きめサイズを選んで使用しており、 その外形サイズはカゴの入り口から無理矢理挿入できる大きさとなっております。
ただし、この挿入可能サイズは「マルワの35角」であって、ホウエイでは入り口幅が狭すぎて巣の出し入れが思うようにいきません。
さて、巣に関して最も重要な部分ですが、それは巣を撤去するか、それとも年中入れておくの判断かと思われます。
繁殖が目的であれば原則、巣は繁殖時のみ使用し、それ以外は取り出してください。
健康鳥の場合、入れたままでは年中産卵の恐れがあります。
★参考: 休ませたいのに卵を産んでしまう

【主食】
通常は皮付き餌を準備してください。
ただし、飼育舎事情で「やむなくムキ餌」ということでも悲観しないでください。皮付き餌に負けない成績を上げている方も多数おります。
ちなみに、私の皮付き餌ですが、玄ひえ・赤ひえ・玄あわ・赤あわ・玄きび・赤きび・カナリヤシード・むきオーツを基本とし、 4mの飛翔禽舎では基本餌に青米を追加しております。
さらに、その餌を水洗いして天日乾燥している訳ですが、高湿度の季節ではカビ発生に悩まされています。
なお、他のフィンチで与えているゴマ・麻の実・エゴマ等は脂肪過多の恐れが有りますから、使わない方が無難でしょう。

【副食】
・ボレー粉
水洗い天日乾燥したものを常時。
ただし、ミネラルが消失するから水洗い不要、とする方もおられます。
・プラスリン
これは鳩用の鉱物飼料ですから与えなくとも障害は発生しません。
常時、ときにはボレー粉を混合する。ただし、ボレー粉の代用にはなりませんのでご注意下さい。
★参考: プラスリンを与えればボレー粉は不要?
・小松菜
産卵準備期間は毎日及び1日間隔で、抱卵中は3日間隔、孵化後は毎日。自家菜園から収穫、水洗いで土を落とす。
購入野菜の場合は、人間食用の2倍の水洗いで残留農薬を洗い流してください。
★参考1: 小松菜切れはクチバシにくる
★参考2: 小松菜を食べるとメスが多く生まれる?
・エッグフード
産卵準備期間は毎日、抱卵中は無し、孵化後は毎日。ウィモもしくはセデを使用。
育雛中は孵化後2日目から親と分離まで、切らすことなく与え続けます。
雛が分離され親だけとなったなら、休養期間としてエッグフードを停止します。
過去に孵化15日以降のカゴから配合餌を撤去、エッグフードのみを与え続けた結果、親の胸が突出、巣立ち雛全てが下痢となりました。
★参考: なかなか食べないエッグフード
・粟玉(自作)
エッグフード嫌い及びエッグフードでの発情不足に使用。
給餌手段はエッグフードを参考にしてください。
私の場合はムキ粟180ccに卵黄1個を基本として、状況により粟量を増減しております。
過去には蜂蜜、牛乳、青のり、栄養ドリンク、干しエビ等もブレンドしたこともありましたが、現在は卵黄だけを使用しております。
・ミルワーム
孵化後一週間から巣立ちまで、親鳥が食べるのであれば与えてください。
ただし、ミルワームは魔法の虫ではありませんので「13cm鳥」誕生は期待できません。 それでも、巣立ちが早まることは体験しております。
量としては、一日20匹が限度でしょうか。 過去に食べるだけ無制限に与えた結果、親も含め巣立ち雛全てが下痢となりました。
もし、食べない場合は、できるだけ小さな虫を与えてみてください。
【警告】
ミルワームを使うと親鳥のコントロールが難しく、育雛途中で発情してしまうこともあるので初心者は控えた方がよいでしょう。
★参考1: ミルワームを与えると雛が大きく育つ?
★参考2: ミルワームの逆襲
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ペアリング
ペリング後、14日から30日以内に産卵開始となりますが、ここで1回目のトラブルが発生します。
【産卵しないメス】
オスのぐぜりが無く地声がメス鳴きのためメス判定となる訳ですが、20日過ぎても一向に産卵の兆しが見えません。
もし、35日過ぎても気配無しなら一旦解散とし、体がスリムとなった数ヶ月後に再挑戦してください。
【巣草を運ばないオス】
そのようなオスはぐぜりも見られず、再鑑定が必要となります。
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初卵は小さく無精卵が多い
一般的に一回目の産卵はサイズが小さく、無精卵も多くなります。
従いまして、初卵は廃棄処分とする方もおりますが、一度の体験を重要視する私は有精卵2個以上なら継続させます。
初卵が小さいといっても、体の大きなメスでは初卵から体なりのサイズで生んでくれますが、無精卵の確率が体長で変わるこことはありません。

産卵開始後、3個生んで抱卵開始が理想ですが、中には最後の1個を生んでから抱卵する、そんな頑固鳥もおります。
そのようなペアでは複数の中止卵がでる可能性があり、「中止卵の謎」の一因と解釈できるかもしれません。
また、全く抱卵しないペアもいるようです。
先輩の話ですが、抱卵しないので未産卵と誤解、エッグフードを与え続けたところ20個以上も産卵されてしまった、 と苦笑いしておりました。

この時期最も注意が必要なのはメスの挙動です。
メスの姿が全く見えない場合は「抱卵に入った」と安心してしまう訳ですが、 時に「卵を1,2個生んでそのまま巣内死」という現象が数例報告されております。
通常、産卵直前にメスが膨れるという現象は多く見られますが、翌朝には産卵も完了し、すっきりスタイルに変化するはずです。
そのような悲劇が起きぬよう、産卵開始時期のメスは厳重に監視しましょう。
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抱卵と検卵
抱卵開始後8日も経過すると初産であっても必ず検卵する訳ですが、ここで2回目のトラブルが発生します。
全卵無精または1個の有精卵
全卵無精では卵を撤去することで抱卵を強制終了させますが、有精1個の場合はどうしますか?
【そのまま継続させる】
孵化して15日目頃から栄養十分の両親が発情、その結果、次第に給餌が細り巣立ち困難となります。
【他のペアに有精1個を預ける】
親の判定が困難となり血縁系統が乱れてしまいます。
ただし、チョコレートの子をパールに預ける、といった毛色の違うが場合には有効でしょうが、 それでも自育でないという障害が残ってしまいます。
【全卵撤去で強制終了とする】
これが私流の非情なけじめです。
ただし、有精卵2個の場合は無精卵2個を加え、合計4個で抱卵を継続させます。
なぜ4個か。2,3個に減らすと不安定な抱卵となり、その結果、途中で放棄することもありますが、 4卵以上では落ち着いた抱卵を最後まで続けてくれるようです。
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孵化と中止卵の撤去
通常、抱卵開始後15日前後で孵化します。
さすがの私もこの時期だけは巣には触れず掃除もしません。安心して巣を覗けるのは孵化後一週間前後でしょうか。
ただし、中止卵の可能性大の予測では孵化後3日程度で覗く場合もありますが、それも巣内の親をつぶさに観察してからとします。 つまり、餌を与えている様子が見えたら検巣は中止とし、微妙な場合は覗くことに決めています。

それでは、7日目で覗いた際の問題ですが、無精・中止卵3、ヒナ2の場合はどうしますか?
・卵が潰れると不潔だから無精・中止卵を撤去し、ヒナ2羽とする。
・卵は撤去せずそのままにしておく。
私の場合1週間では取り出さず、12日目頃のリング挿入時に卵を取り出してヒナ単独とします。
なぜなら、早い時期に不要卵を取り出してしまうと親の巣離れが早まり、低温時には成長阻害を引き起こす可能性があるからです。
もっとも、ヒナ数が3羽以上なら不要卵の早期撤去も問題ないでしょうが、可能なら12日位までは残しておきましょう。

さて、検巣作業で最も大事な部分は「そのう」の確認でしょうか。
餌でぱんぱんに膨れているか、しわが見える中位か、かすかに餌が見える程度か、 それら状況次第でヒナの健康度と親の育雛能力が確認できます。
7日目がそのう中位、12日目がぱんぱん、これの場合は普通のことで問題ありません。
ただし、7日目ぱんぱんで、12日目が中位の場合は危険信号、このままでは衰弱死する可能性も残り、今後の監視が必要となります。

また、7日目以降はエッグフードの減り方にも注意が必要です。
産卵前に食しておれば問題ないでしょうが、往々にして産卵前、孵化後ともフード減少が芳しくない鳥が多くおります。
そのような鳥には粟玉とエッグフードを容器内の左右に振り分けてみてはいかがですか?
そうすることで、どちらを好むかが判ると思います。
さらに、数匹のミルワームを別容器にて給餌するのも、一つの試みかと思われます。
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リング挿入
将来、当年度鳥であることを証明したい方だけがアルミリングを挿入します。
雛の取り出しはプラスチックのスプーンを使います。もし、金属スプーンの場合は暖めてからご使用ください。
挿入時期は、リングサイズにもよりますが、10日〜13日あたりを目安とします。 また、親の給餌量や鳥の種類によって適期は変化しますから、筆毛が生え揃う頃を目標にしてはいかがでしょうか。
万一、時期を失した場合には無理に挿入しないでください。 途中でつかえたからといって足指でも引っ張ろうものなら、いとも簡単に指を引き抜いてしまいます。

一般の方は「リングが無くとも鳥の価値は変わりなし」ですから、 巣立ち後にプラリングを入れてください。それで充分です。
良く聞く話ですが「年度リングがないと誕生日や系統が判らない」らしいですが、私の場合アルミリングは対外的なお飾りです。
ちなみに、数十羽飛んでいる追い込みでオスメス確定する場合、リング1個でOKでしょうか? 最低でも色別プラリングが2個必要でしょう。 アルミを含めれば計3個となり、鳥にとっては迷惑千万な厄介者でしかありません。

さて、「この鳥には絶対にリングが必要」という条件なら、リング挿入後の再検査が必要となります。
挿入24時間後に、リングが抜け落ちていないか、指などが挟まっていないか、正しい位置に納まっているかを確認してください。
先輩方の話では、第二間接を通過して大腿部(腓骨)にめり込んでしまった、という大事故もあったそうです。

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巣立ち
孵化後25日前後で巣立ちとなりますが、これまでの最速は21日、最遅は30日を経験しております。
「期待していた雛が見えない」と気づくのもこの頃で、時折ですが、良い雛ほど巣内死が発生するようです。
また、6羽以上も雛が誕生すると巣が狭くなりますから、この時期に新巣と交換するのも一つの手段ではないでしょうか。
さらに、巣立ち後は水入れが汚れますから、可能ならば一日2回水交換が必要かもしれません。

巣立ち直後の雛をつぶさに観察することで、ぼんやりとながら将来が見えてくるものです。
胸中央に薄いV字模様が見えれば、相当な高ランク鳥と判定できます。
翼が開き、体が膨れ気味だが下痢ではない、そんなの雛が複数羽いるなら両親の近親を疑って下さい。
この雛達は足が太い、と感じたら数ヶ月後には見違えるほど大きくなっているかもしれません。
大きさが親と同じなら、間違いなく親以上のサイズとなります。

巣立ち後、最も大事なことは巣の撤去時期かもしれません。
この間もエッグフード給餌は続いてますから、元気な親では次の産卵を開始してしまいます。
私の場合、巣立ち後5日位でしょうか、雛達が自信をもって止まり木に止まるようになった頃、巣掛けごと撤去してしまいます。
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親と分離
巣立ち後、10日も過ぎれば独立を考えてください。
すでに巣は撤去してありますから親の産卵は無いと思いますが、オスが発情した場合には雛を攻撃することもまれではありません。 勿論、全ての雛が配合餌を食してることが条件ですが。
時間的には午前中、それも10時前の早い時間帯が良いでしょう。
私の場合、分離雛は専用の2m禽舎に移しますので、もし遅い時間の場合は餌場や水場に慣れず、 ひもじい状態で一晩過ごすという深刻な状況になってしまいます。

さて、分離後の若鳥とエッグフードの関係を考えてみましょう。
大小の違いこそあれ、殆どの方が「追い込み」に移すと思いますが、さて、エッグフードはいつまで与え続けますか?
私の環境では雛換羽が完了するまで、つまり、生後2〜3ヶ月は給餌を続けるのが慣例となっております。
これまでの最長は5ヶ月という記録がありますが、さすがに、胸が突出する若鳥も目立つようになり、決して健康的には見えませんでした。
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最後に
「高ランクの種鳥を購入して、1羽でいいから最高の雛をとりたい」
ヨーロッパ十姉妹を飼う殆どの方が、そのように望んでいるようです。
まず、「高ランクの種鳥を購入して」が極めて難しいことです。
コンテストに出品するようなAAランク鳥は、ベテラン飼鳥家がしっかりと抱え込んでしまい、世にでることは殆どありません。
次に、「1羽でいいから最高の雛をとりたい」は一層難しくなります。
高ランクペアを準備しても、納得する鳥は10羽に1羽も出てくれません。
だから面白い、だから深みにはまる、そういうことでしょうか。
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